■アレクサンダー・テクニーク■
無意識でクセになっている不要な緊張を手放すことで、あなた全体の動き(活動)の質を高めていく、頭と脊椎の関係に着目したセルフワークです。
オーストラリア出身の俳優、F.M.アレクサンダー(1869〜1965)が自身の声のトラブルをきっかけに発見した「自分をより良く使うための技術」で、ダンスに限らず、あなたがやりたいすべてのことに応用できる、動きの「基本原理」とも言えます。
アレクサンダー・テクニークを使って余分な力みが減ると、身体全体が動きやすくなって活動のクオリティがアップします。身体が解放されると気持ちも楽になって、より豊かに自分を表現できるようになります。

アレクサンダー氏が発見したのは、”頭と脊椎の関係は、良くも悪くも全体に影響している”ということ。
頭が脊椎の上で繊細にバランスし動けるなら全体も動けるし、頭が止まれば全体にブレーキがかかります。
「身体は全体がつながっている」「つながって見える動きは美しい」とよく言いますが、その”協調”のはたらきを左右するカギは頭にあるということです。他のどの場所が止まるよりも、頭の影響力は強いのです。
頭の動きがロックされると、”緊張のスパイラル”が起きて協調作用はうまく働けません。
”キラメキのスパイラル”が起きているときは、全体の協調作用もうまく働きます。
頭を止めてしまうのは首の緊張です。その多くは無意識に起きているので、あなたは気づかないうちに緊張のスパイラルにはまっていました。
キラメキのスパイラルに戻るには、止めるのを”やめる”こと。骨の身体はいつでも動けるようにできています。不要なブレーキをかけていたことに気づいたら、それをやめて自分を解放してあげましょう。
それでも、何かをやろうと思った瞬間に、慣れている今までの使い方や習慣に戻ろうとするでしょう。勝手に頭をロックしたくなります。
ダンスと同じで新しい使い方には練習が必要です。繰り返し練習することで、新しい習慣になっていきます。
最初のうちは教師が繊細な手や言葉でサポートしますが、レッスンを続けることで、自分で気づいて自分でやめることができるようになります。


■ダンサーにとっての効果
ダンサーにとって、アレクサンダー・テクニークを学ぶメリット(効果)は、さまざまなものがあります。
私自身は40代半ばから学びを始めました。年齢を重ねた今の方が楽に気持ちよく踊れます。
力でがんばらなくても大きく動きながら、緩急あるメリハリある動きができるようになりました。
月に何度も通っていたマッサージや整体にも行かなくなりました。
自分の身体をわかって使えるので、日常のいろいろな動きも、省エネで楽に動けるようになりました。
左の股関節に臼蓋形成不全からの変形がありますが、今も普通にダンスを続けられています。
”できない自分”にもOKを言えるようになりました。失敗を許せるようになりました。
体力や年齢など関係なく、あなたの身体と動きの可能性をひらくレッスンです。身体を痛めることなく、痛めていても上手に付き合いながらダンスを続けるためにもお勧めします。
<期待できる主な効果>
◎ケガや故障の予防、リハビリ効果の向上
◎可動域が広がって踊りやすくなる
◎力を抜いて柔らかく踊れる
◎少ない力で大きくパワフルに踊れる
◎速くメリハリある動きができる
◎ダンステクニックの向上に役立つ
◎存在感や表現力が豊かになる
◎あがり症の改善で、良いパフォーマンス
◎人間関係、コミュニケーションが良くなる
・・・等々
■エクササイズや治療ではありません
アレクサンダー・テクニーク自体は、運動やエクササイズではありません。
運動やエクササイズをするときに使うことで、より効果的に安全に行えるようになります。
治療や施術ではありません。あくまでも心身の使い方の学び=教育です。
アレクサンダー・テクニークでも症状の改善が起こりますが、それは要因となっている習慣を変えることによる、間接的な結果です。痛みや歪みなどの”症状”を起こさないための、予防効果は高いです。
アレクサンダー・テクニークは、慢性的な腰痛の改善効果についての検証が、英国のメディカルジャーナル誌で報告されています。医師の証明があれば保険が適用される国もあります。
自分全体の使い方を変える学びによって、多くの心身の不調やさまざまな症状が改善されています。
■あのアーティストも学んでいる
海外ではジュリアード音楽院をはじめ多くの芸術系学校でカリキュラムとして採用されていて、音楽家・ダンサー・俳優らのパフォーマンスの質の向上やヘルスケアに役立っています。また、ヨガやピラティス、介護関係や理学療法士、教師など、多彩な分野の人たちがアレクサンダー・テクニークを学び、自身の活動の向上に生かしています。
こうしたさまざまな分野の著名人も、アレクサンダー・テクニークを学び活動を広げてきました。
マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ)、キアヌ・リーブス(俳優)、クリストファー・リーブ(俳優)、ロビン・ウィリアムス(俳優)、鈴木重子(歌手)、ボール・マッカートニー(ミュージシャン)、 ジョン・デューイ(教育学者)、ニコラス・ティンバーゲン(動物行動学者)、ジョージ・バーナード・ショウ(劇作家)・・・ほか多数